南三陸町福興市

職場の方が車を出してくれることになって、行けました。
南三陸町はずっと気になっていて、でも何か出来るわけでもなく、いきたい気持ちだけでは迷惑になるだろうし…と気持ちだけが行き場をなくしていたのですが、やっと行けました。

しかも、津波から５０日、福興市。
高台にある中学校での開催。
本当に頭が下がります。出来ることなんて、そこでお金使うことくらいなんで、全力で昆布とか海苔とか買ってきましたよ。マツモが買えて嬉しかった。
※南三陸町…海産物パラダイス。

お会いしたかった役場の方ともご挨拶できて、本当に無事でよかった。お家がどうなったのか、ご家族は大丈夫だったのか、今どちらにいらっしゃるのか、なにも聞けなかったけれど。
それでも、彼女がお化粧をされていたことが本当に嬉しかった。
ベースと眉と口紅程度の薄化粧だったけれど、お化粧ができる環境までは、少なくとも落ち着かれたのだと思うと、それだけで安心した。
楽しんでいってくださいね、と仰ってくださって、私の方が、もう、後ろめたくて、申し訳なくて、何も出来なくて、どうしたらいいのか分からなかった。

南三陸町は何度も報道されているように、中心部が壊滅的な被害を受けていて、そこには何もなかった。本当に何もなくて、平らな土地がただ広がっていた。
何もなくて、砂埃をかぶって、街全体が白くなってた。

うちの会社の営業所は、皆が避難して助かったのですが、事務所の建物の３階まで水が通った跡があって、海からそれなりの距離があるのに小舟や漁業の網がそこらじゅうに絡まっていた。

砂混じりの瓦礫の中に、雑貨や服だったであろう布が見え隠れして、どれも全部、誰かの大切なものだっただろうになと思った。

福興市に集まった街の人たちは笑っていたけれど、それはもう笑うしかないというか、危ういところでなんとか自分を支えているんじゃないかなと思う。
私が落ち込んで何かがうまくいくならいくらでもそうするけれど、それはなんの意味もないことでしかない…。

福興市は津波を免れた地場産品だとか、商店街ネットワークで集めた品物が売られていて、町民には地域通貨チケットが配られて、それでも買い物ができ、収益は復興のために使われるそうだ。

小さなステージが設けられていて、私が行ったときにはサンドウィッチマンの二人が応援に駆けつけて、メッセージを寄せてくれていた。
その後にはEXILEのメンバーが来る予定とのこと。

正直言って、南三陸町みたいな田舎の小さな街にEXILEのような人気芸能人が来ることなんて、普通はないと思う。

でも自分の故郷を引き替えにできるものなんてない。
有名人が来なければ故郷を守れるのなら、誰も来なくたっていい。
チャリティはありがたいし、不可能なのは分かってるし、ぶつける相手を間違っているのもわかっているけれど。