補足

2005年1月10日
OD1とOD2についての私見…。
とりあえず書いてみました。

私は、映画そのものとしての出来は1の方が高いと評価しているのですけれども、思うところとしては次のような点が上げられます。

1 メイン事件のスケールについて
 2を見た時、正直言って「事件、ショボッ!」と思ってしまいました。1の時の、副総監誘拐事件と小泉今日子演じるサイコ女(スイマセン、名前がはっきりわかりません)による殺人事件が並列して進んで、QSで物理的にクロスして、解決していく、という事件モノとしての流れに対して、2は、お台場封鎖だとか監視システムなど、一見スケールアップしてそうに見えて(実際、お台場全体が舞台になり、範囲は広大化)核になる事件が役員連続殺人事件だけ、犯人にも意外性がなく、ナイナイ岡村の傷害事件、家族スリ事件についても、最初から連続殺人事件に対する小さな事件に役割が終始してしまっているので、事件の真相を推理して行く、という事件モノの楽しさが今一つであった。

見ていても、1では最初のゴルフの景品が「天国と地獄」になって、副総監の自宅が写る度にも、QSのシーンでも、小さく犯人が写ってたりするあたり、何回見ても「ヤラレタ…」と思うのですが、2はそういう面での作り込み感が物足りなかったなあ。あのSM縛りも無意味だったし。洋梨だけなんてあんまりだ…。

2 ゲストの女性キャラについて
 これは、沖田管理官のキャラ作りが浅かったな、という感じ。小泉今日子は、羊たちの沈黙も踏まえて、良くも悪くも弾けてましたが、沖田管理官はタダの頭の悪い使えない上司、という感じしか受けなくて残念。
 初の女性管理官として、焦りと孤独と、後に続く他の女性のためにもと空回りしつつ模索して行くような感じがあれば(例え、今までのキャリアと同じように所轄署と距離を置きながらも)もっと共感できたし、もどかしさがあって、厚みが出たような気が。
 見てても、「なんであんな頭悪いヤツ使ってんのさ」という不快感しかなくて、あれを真矢みきさんじゃない人がやってたら、逆の意味で痛々しくて見ていられなかったなあと思いました。今回は、そういう雰囲気は新城さんがかもし出してましたけど(笑)

3 個別シーンで、いくつか、それは変だろうと思う点が散見。
 すみれさんの被弾シーンについて
 良く考えなくても、命令無視してますよね…。事前に何をしたいのかも申請してないし。
 どうも、事務職で働いてると、緊急の時とは言え、通さなあかんスジがある、と考えてしまうんですね、仕事柄。あれも、何故自分が行こうとしているのか(スリの子供を追っているのか、もしくは自分でなければできないことがあるのか)などを訴え、でも通じなかった、という要素があればもうちょっと納得できたかも。私はあのシーン、逆に沖田管理官に同情してしまいました。管理官として行くべきではないと判断して行くなと命じて、負傷したらそれはどうなるんだろう…と。それまでの部分ではいろいろマズイ点もありましたけど、あの場面ではすみれさんが間違ってるなと。
 キャリア→悪役、所轄→自分たちの味方で分かりやすく白黒つけて、室井だけがキャリアの中で所轄の味方、という分かりやすい色分けにしたいのだったら、あの場面はもっと注意してすみれさんを行動させた方が良かったように思いました。沖田管理官が優秀で、でも分かり合えないなら面白いですけど、あんなに頭悪かったら分かり合おうと思う気も起きないからな…。

 感情的に納得できなくても、責任者が判断したことを受け入れなければならないこともあるので、あれはちょっと変だなあと。それをやっちゃったら組織はおしまいだよ〜、と思いつつ見てました。

 室井さんの指揮シーン
 最初に見た時は、おお、と納得してしまいましたけど(笑)あれって指揮権放棄してるだけじゃないのかな。無責任と紙一重?また、誰がどこに行くかの管理もしてないし。細かいところですけど。あんなのだったらリーダーいらないんじゃ。
※責任取るって、それは後の事務仕事…。

 室井さんが目指している組織って、あんな程度なんか…と拍子ぬけ。というか、脱力。
 あれくらいだったら、もう吉田君がやってたんじゃないですか…?いや、そういうことが気になってしまうのが(1でも、室井さんのケガ人引きずりを始めとして、ちょっとアレ?みたいなシーンはありましたが、まいいか、と世界観に引きずられてしまってました。今回、すみれさんや室井の行動で違和感をここまで感じてそれが気になってしまうのが、作品全体の作りの粗さなのでしょうか。)
 
4 単純に、あんな和久さん仲人に結婚式なんかされてしまうと腐女子の出る幕無し(爆笑)1も、室井さんもあんなケガ人を引きずったらケガ人悪化するぞ〜救急隊待てよ〜とか突っ込みたいんですけど、あれはあれで萌えなんで(笑)

5 ギバの(上着を脱いで)ベストになるシーンがない、ギバ、日焼けしすぎ(涙)
ま、ほとんどは1と2が理由なんですけど。小技とか、他の映画とのリンク(最初の演習シーンでの「お台場の月」→オダ映画「ホワイトアウト」のゲリラ「赤い月」)とか、橋を駆け抜けるシーンなどの迫力&CG処理などの見事さ、なんかばっかりで、軸となるべき事件モノとしての面白さ、青島と室井の目指す警察の描写などが軽視されてた気がするんですよね。オマエらこれで面白いだろ!みたいな感じが透けてる気がしてならない。

 要約してしまうと、事件がショボくて、腐女子狙いが微妙に(ほんとギリギリですが)感じられるあたりで減点…ということです。

 妄想はこっちでするんで(笑。しなくてもいいかもしれませんが)本来の面白さ、なんでテレビシリーズがあんなに支持されてたのかを考え直して欲しいなと思うのです。事件の行く末と、(所轄と本庁という対立を下敷きに)複雑な人間模様、時にはコミカルに浮かびあがってくるのが踊るシリーズの面白さなんじゃないかと思うのです。特に青島と室井ね。
ま、そういう感じです。
続編出すのも良いですけど、本来の警察ドラマの面白さ、世界観を見失わないで欲しいなあと思ってます。真下→室井→すみれか…。ううむ。

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