代表選考

2004年5月3日
20050104 勘違いしていた記憶を一部訂正しました。

ただいま、スポーツは注目の大会が目白押しです。
アテネ五輪を控えて、続々と代表選手が決定しております。

とある競技でも代表選手が決定しました。

ギリギリまで代表を争った数選手の中に、鯖の小学生の時の同級生がいました。

結局は、あと少し、本当にあと少し、かするどころか、何でそんな選考方法なんだよ、ワケわからんポイント計算するんじゃないよ、と言いたくなるような計算の末の、たった1ポイント差で彼は代表を逃しました。
私は、もっと単純に順位を見てくれれば、彼が代表でいいのじゃないか、と友人の欲目もあって思ったくらいでした。

ちょっと前の、千葉すず選手の、恣意的としか言い様のない落選や、高橋尚子選手の「過去の実績」をどこまで加味するか、のような不透明さはない、機械的なまでのポイント計算の結果なので、仕方がないことはわかっていますが、それでも言いようのない気持ちにかられました。

私が彼とクラスメイトだったのは小学校の高学年の2年間だけですが、あの頃から、彼は競技のためにいろいろなものを捧げていたように記憶しています。

放課後は、学校のクラブ活動ではなくて、もっと大きなスクールのようなところで練習していたらしい。そんな彼は、地域の大会では負け知らずで、彼の身のこなしは、同じクラスの運動神経がちょっといいだけの男の子達とは明らかに違っていた。

授業中に先生の質問につまったり、同じクラスの可愛い女の子のことが好きらしいと噂されたり、そんなところは他の男の子たちと同じだったけれども。

でも、彼は確か修学旅行にも来なかったし、地区のスポーツ大会にも、その競技以外のスポーツで怪我をしたら大変だからと参加していなかった(大きな大会が近かったらしい)。
※後で確認したところ、修学旅行に来なかったのは風邪引いたからだったらしいことが発覚。というか、本人が卒業アルバムにそう書いてた(笑)私の勘違いでした。

クラスの男子生徒の多くが入っていた野球部にも、彼は籍を置かずに、朝練習にのみ参加するだけで、幾試合かに出場しただけだったらしい。

そうやって、彼は競技に時間やら気力やら、いろいろなものを捧げていた。

私は特に彼と仲が良いわけでもなかったし(あまり話したこともなかった。)、むしろ可愛げのないおなごだったので、彼のほうは私のことは、口うるさいヤツ(みぎわさんかよ…。(C)ちび○るこちゃん)程度にしか思っていなかったと思う。
私も彼に好意を持っていたわけでもなかったが、やはり県大会や全国大会に出るような地区では飛びぬけた選手だったし、同じクラスだったという親近感もあったので、彼の動向というか、試合の結果は、中学、高校に上がってからも関心を持ってみるようにしていた。

彼はインターハイでも上位に入賞していたし、大会によっては全国レベルの大会で1位になったりもしていた。インカレでもそうだった。社会人選手になった今も、常に上位に入っている。そもそも、全く交流のない私でさえ試合結果を知ることが出来るというのが並みではない。全国紙の新聞のスポーツ欄に名前が載るのである。(もっとすごい大人気スター選手が何人かいるので、その影に隠れている気配はあるが。)

私はそういう彼をとても尊敬するし、そうやって力を尽くせる人を尊敬する。

この前の日記にも少し書いたのですが、私は自分もスポーツをしていながら、自分や自分のチームの勝利を信じていないところがあって、そんなにうまくいくことないさ、と諦観のようなものを最初から気持ちの中に据えているところがある、最悪の選手でした。
テストの成績はちょっと良かったので、先生ウケはよかったけど、そんなのはひととしての強さや、どこまで自分を追い込めるかといった、根幹的なことからすれば、瑣末なことでしかない。私はそんな子だった。
彼は「競技さえできればいいと思うな」と先生にしょっちゅう怒られていたけれど、競技というオンリーワンに力を尽くすというのも、一つの選択肢なんじゃないかな…。他があんまり酷すぎるのもどうかと思うけれども(笑)

きっと彼は最終選考の最後の瞬間まで、自分が代表になることを信じていたと思う。
私も、そう信じていた。
競技結果自体は、代表に相応しかったと思うよ、本当に。なんか良く解らん基準ではあかんかったようですが。チーム編成のためには仕方ないのかもしれないけれども…。

…自分を信じられることがスバラシイと思う。

もう我々は26歳なのですが、高校だけでトレーニングから逃げた私には、現在までも、そしてこれからもプロスポーツでやって行く人の信念やら、気持ちやら、何やらは、それだけですばらしいと思う。

それだけに、彼にもう1ポイントをあげたかった。
次のオリンピックには、もう我々は30歳だから。努力ではどうにもならない年齢的なピークを、選手としての全盛期にある彼を、アテネで見たかった。

別に、努力をしているから、何かを犠牲にしているから、可哀想だから、ではなくて。
その数分間の下敷きにあるものを、少しは知っているから、いろいろと考えてしまいました。

そんな気持ちでテレビの前に座っていました。
どうしようもないのですが。

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鯖

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