吐き気がする。

最近、残業して、自家用車通勤しているおっちゃんに自宅近くまで乗せてもらって、そこからふらっと近くの古本屋をのぞいて、9時半くらいに帰る毎日が続いている。
でも、それは永遠に続くことじゃないし、そろそろ終わりも見えてきているし、もうちょっと頑張ればイイだけのことだ。

今日も、そうやって帰宅した。

母親が出てきて、こういった。

「今日も残業?」

ああ、そうだよ。そういえば、この前、家に帰りたくないから、定時に会社を出ても、ぶらぶらして無為に時間を潰しているといったことがあった。
それも事実だ。家は息が詰まりそうだから。休みの日は、部屋に閉じこもってる。

そして「一人歩きは危ないわよ」と、そう言って、護身用のアラームベルを手渡された。

「今日も、アナタの横を大きな車が通りすぎてたでしょ?白いの。」

「ベランダから見てたのよ」

見てる?

見張ってるの?

見張ってるとしか思えないよ。私が帰ってきそうな時間になったら、こんな寒い中、ベランダで見てるの?待ってんの?それって、心配してるの域を超えてるよ。

「どこから歩いてきてるの。言ってくれれば駅まで迎えに行くのに」

どこまで私を自分の視界に縛り付ければ安心するの?家を出るところから、戻るところまで、できる限り自分の思うようにしたいの?多分、したいんだろうな。

思えば、大学生の時、アルバイトをしたいと言った私に、お願いだから止めてくれと言った。

自分がパートに出て、そのお給料を全部渡してもいいから止めてくれといった。

結局、母親の知人の子供の家庭教師をしてたけど、送り迎えは母親がしていた。どこまでも、自分の満足行くところに私を縛り付けたいとしか思えなかった。

でも、私はもうなにもかもが面倒だった。

うちにじっとしているのが、一番彼女を静かにさせておくイイ方法だったから、何もかもを、その面倒さと秤にかけて、なかったことにした。何かを我慢することのほうが、あれこれ干渉されるよりも楽だから。それに、あれこれ干渉されながらやったって、楽しくなんかないし。

そういえば、同級生の男の人から、事務連絡で電話があって、それについてあれこれ言われてからは、はっきりいって、自分がもてないことや、自宅にいる女子が同世代の異性から敬遠されることさえありがたかった。

夜中に部屋の様子を窺われたくなくて、カーテンをしめきって、ドアもしめきって、ノブが動かないようにキャスター付きのロッカーで開かないようにして、光が漏れないように、ドアの隙間にハンカチを詰めて中で息を潜めてた時期さえあった。
※さすがにこの時は自分でも病んでたと思うけど。でも、朝、起き抜けに「昨日、●時くらいに電気がついてたけど、何してたの」なんて言われたりするのが嫌だったのだ。

残業も潮時かなあ。

もうちょっと残業してでも片付けたい作業があるんだけど、これ以上、彼女に私に干渉させる口実を与えたくない。ちょっと秤にかけるものが間違っている気もするけれども、自分の毎日を考えたら…。
なんで仕事するのに、母親の顔色窺ってるんだろう。

あの人は、私に、彼女からみて安心できる人と結婚して、仕事辞めて、家の中でのんびり趣味の絵でも描いてるようになってほしいんだろう。それが私自身の望む生活でなくても。

今は家と会社を往復して、明るいうちに帰ってきて、あとは家の中にいれば彼女は満足だから。たまに早めに帰った時の、彼女の満面の笑みを見ると、そのまま会社にユーターンして、家に帰って来たくなくなる。そのまま家から出られなくなるような気がする。何で、残業するのに母親の顔色窺ってんだろ。

彼女に悪気があるわけじゃなくて、この辺も夜は物騒だし、住宅街だから人通りも少ないし、若い女の子が一人出歩いていて、何かあって辛い思いするのはあなただから、とそう思っているだけだ。

でも、吐き気が止まらないんだよ。ムカツキが停まらないんだ。
明日も、きっとベランダで私を待っているんだろうと思うと、胃から何かがこみ上げてくる気がする。

いつまでこんな日々が続くんだろう。いつもいつも、もう私も経済的にひとりで何とかやって行ける程度の収入もあるイイオトナなんだから、さっさと出て行こうと何度となく思うのに、ずるずると今までこんなふうに過ごしている。

時々、誰かここから連れ出してくれるのなら、そのひとと結婚でもなんでもするのに、とさえ思う。
今この瞬間は真剣にそう思う。
ほとんどの男の人は、私にとって嫌悪感というか、不快感の象徴で、必要以上に触れたりしたくないんだけど、それを我慢…そう、我慢すれば、この環境から連れ出してくれるなら耐えられるかしらとさえ思ったりもする。

一番ダメなのは、いつまでもここにずるずるといる自分なのだけれども。

正直言って、生きてない。ただ呼吸してるだけだ。毎日つまらないし、息苦しいし、何してるかわからないし、顔色窺ってうんざりしてる。何してんだろ、私。

それでも、後足で砂をかけるように出て行くことに躊躇いを感じる自分はつくづく事勿れ主義で、根性なしで、どんどんダメになっていくタイプなんだな。

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