遅れ馳せながら。

2002年5月4日
今頃なんですが、あの世界的ベストセラー「ハリポタ」を読みました。
しかも1巻だけなんですが。

読みやすいですね。
さすがに児童書だけあって、行間もゆったりしてるし、総ルビも嬉しい。やっぱり、ルビっていいですね。読みが分れば辞書も引きやすいし。

そして、何より紙質が好み。あの、つるっとした感触で、薄いクリーム色の紙が。
※鯖が愛用しているビジネスダイアリーに使われている、クリームイースターという紙に似ている。クリームイースターの方がもっとつるつるしてるかな。厚さも好み。たぶん90g/?くらいだと思う。

内容については、続きの2冊も読んでから書きたいと思いますんで、今日は装丁とか、その辺について。

ハリポタは、小さな出版社でかなりこだわって作られているようで、装丁やフォントに凝っていて面白いですね。まあ、それが原作版をどこまで再現しているか、ローリングさん(←原作者)の意図をどこまで反映できているかは分りませんが、そういうところの拘りは好きです。

いつも思うのは、小説家やエッセイストの人は、その辺はどこまで拘るのかな、ということです。
CLAMPさんなんかは、持った時の重みまで気にして、紙や台割まで考えるということですが、そこまでする作家さんって、少ないのでしょうか。
※CLAMPさん…四人組のクリエイター集団というか。漫画描きさん?

谷川俊太郎さんだったかな、自分の過去の作品を、もう日にあたって、ばりばりに黄ばんでしまったわら半紙で、余白をガンガンとって出版してくれる出版社があれば…っておっしゃってたのを以前に聞いたことがあります。

文章を書く人は、一つ一つの言葉にもちろん非常に気を使いますが、それをどう見せるか、にも気を使うことで、さらに文章の与える力が強くなると思うのです。たとえば、同じ「こんにちは」という言葉でも、真っ白な1ページの真中に、ポツンとかかれているのと、行間に埋もれているのでは、与える語感がちがうし。
赤いインクで刷られていたら、また違ってくるし。

これはテキストとテクストの差異でもあるのかもしれませんが。
※テキストは、文字列そのもの、テクストはその文字列が生み出す世界というか、織り出すもの、というように鯖は理解して使っています。どうやら、織物、タペストリー、ともつながって行く語源を持っているらしい。だから「テクストをひもとく」というらしいですね。

そういう意味で、ものすごく、文章を書く人が、視覚を重視して書いた本と言うのは、すごい力があるような気がします。
その割に、あんまりその辺に力を入れた本と言うのは無いような気が。印刷代がものすごくかかるからかなあ。フォントをかえたり、紙をかえたり、色を変えたり。
引きとめくりを考えたら、ページ数も食うからかなあ。

同じ作品でも、段組とか、ページ割とかで全然違うものになると思うんですよ。
※鯖がそこをすごく考えて作ってるなと思うのは、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」と「サーカス物語」ですね。
ハリポタも、ページ数や予算やなにやらで色までは手が回らなかったのでしょうが、かなり気を使っていて、楽しく読めました。次巻にも期待。

で、最近、ネットでアマチュア作家さんの小説を良く読むのですが、HTMLだと、背景色やフォントのサイズ、色、書体も自由自在だし、スクロールを考えて改行をいれることで、引きとめくりに近い効果も出せるし、ページのリンクで、切り替えもできるし、でかなり視覚を重視した文章世界が展開されていて楽しいです。
※まあ、それはある程度の文章力がある人の文章についてそう思うので。せめて、400字詰原稿用紙1枚分くらいの量のある文章を「小説」を銘打ってほしいな、と思うサイトもあるんですが。

って、ハリポタについて全然書いてないじゃん。

コメント

鯖

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