先日の鯖と鯖父の会話の続きです。

正確にはその後の鯖について。

あの日の鯖は泣いてばかりでした。

昼ご飯を食べている時にふと思い出して涙ぐみ、残業していて涙ぐみ、トイレに駆け込んで鼻をかんでいたところ、結構目が赤くなっていたので、普段は公共交通機関で帰宅しているのですが、甘えて鯖母を呼び出して車で迎えに来てもらうという体たらく。

車の中で鯖母に今朝のことを話して、また泣き、家に着いて部屋で日記(←オフライン)を書いていて泣き、トイレで泣き、お風呂で泣き(←バスタブの中で膝を抱えて)、布団に入って泣きました。

…泣きすぎ。

翌日、鏡を見てびっくり。目が腫れていた。(当たり前だ。)
鯖は二重まぶたのどんぐりまなこなのですが、人相変ってました。こわい。
いや、泣いて寝ると目が腫れるってのは本当だったのですね。今まで泣きながら寝たことなどなかったので(本当に。皆無)、伝説は本当だったのだ…としみじみしました。
※そんな、泣いたぐらいで人相変るほど目なんて腫れねーよ、と思っていた。泣きながら眠るような風流なシチュエーションに陥ったことがなかった。

そこで、鯖は何故これほど泣いたのかということを、考えて見ました。

会社のことでへこんでいたというのもあるのですが、それは一因であって、この大泣きぶりの根源ではないと思ったのです。

お風呂で泣きながら気がついたのですが、ダメな自分でもいいと言ってもらったことじゃないかと思ったのです。

それがあまりに嬉しくて。

自分で言うのもなんなのですが、鯖は非常に小生意気でだらだらしていながら、形式的な世間体は非の打ち所がないような子供なのです。
履歴書を書いてみれば、地方都市に暮らす、真面目なお嬢さんそのもの。学校もすべて地元では(←全国的に見ればさほどではない。)結構ステイタスのあるところで、会社も聞こえだけはいい。(内情はひどいもんだが。)
つまり、御近所のおばさんに「おたくの鯖ちゃんは出来が良くって〜」といわれるようなレールの上を生きてきたわけです。人としてはどうしようもないのですが。

だから、どうしても、そういういい子じゃないと受け入れてもらえないような感覚を持っているのです。友人にも、会社の人にも、学校の人にも、そして身内にも。

今回、会社づとめをして、初めて自分のキャパで処理しきれない状態にぶつかって、どうしようもなくなって、逃げようとしている。

会社づとめの出来なかったヤツ、になろうとしている。
失敗者とまではいかなくても、就職したときに喜んでくれた人の期待には少なくとも応えられなかった。

そう思った時、そんな自分を誰も受け入れてくれないんじゃないかと思ったのです。

今までの私は、たいていのことは人並み以上にできていたから、皆が受け入れてくれたんじゃないか。

自分は、何かしらのことができないと価値がないんじゃないか。

ダメになった自分なんか、誰も認めてくれないんじゃないか。私の芯の部分なんて、他人にとっては何の価値もないんじゃないか。
私という存在そのものを認めてくれる人なんか、いないんじゃないか。

そういう恐怖にかられていたのです。

そういうなかで、鯖父が、本心かどうかはわかりませんが、ダメでもいい、会社づとめがダメでも、家にいていい、好きなことをやってみるのもいい、多少なら支えてあげる、といってくれた。

ダメな私でも、いいと言ってくれた。
ダメな私は無価値だとは言わなかった。ダメな私でも、いてもいいと言ってくれた。

鯖自身も、なかなか自分のダメなところをさらけ出すことが今まで出来なかったので、ずっと、親も含めて、自分を価値のある人間のように演出して、ダメでもいいよね、と聞くことが出来なかった。
聞いて、ダメならいらないと言われるのが怖かった。

今までは、それでも良かった。学校のテストの成績くらいなら、ある程度は何とかなったから。いらないといわれる恐怖に耐えながら、自分がいてもいいのか聞くくらいなら、見栄を張って勉強したり、平気な不利をして、他人から見てすごい自分を演出する方が楽だった。
そうやって、自分の存在そのものの価値を問われることから逃げていた。

ここに来て、それが通用しなくなって…。

でも、鯖父が、いいって言ってくれて、良かったと思う。

今まで、ずっと家から出たくて仕方がなかったのだけど、もうしばらくいたい気もした。
今までも、鯖父がこんなふうに鯖のことを思っていてくれたのなら、自分はなんて可愛げのない娘だったのだろうと思う。こんな馬鹿ムスメに、あんなありがたい言葉をかけてもらって、申し訳ないとさえ思った。

鯖ではたいしたことはできないけど、何かしたいと思った。

今の会社も嫌で嫌で仕方がないけど、もうちょっと頑張って、鯖父に心配をかけない形で、転職しようと思った。
体も、もう少しは大丈夫そうだから。

そう思った。
※しかし、その翌日には、また「辞めたい…」とつぶやいていたりもするんですが。ううう。

そういえば、嬉しくって泣いたのって初めてかもしれない。

自分以外の人間に、自分が大事に思ってもらってるって、実感したのって初めてかもしれない。

そう思った。

世の中の恋人たちは、お互いにこんな風に大事に思いあっているのだろうか?
鯖は今までこんな気持になったことはなかったのですが、皆、こんな、ありがたくて申し訳なくて、うまく言えなくてボロボロ涙ばかり出てくるような、そんな気持で思いあったりしてるのだろうか?

鯖父は家族で、その家族的愛を受け取るのに、あまり恐怖は感じなくて、ただ嬉しくて、ありがたくて、自分も何か返したいと思うだけなのですが、何の縁も義理もない他人から、こんな気持を受け取ってしまったら、怖いような気がする。

それ以前に、自分にこんな気持をもってくれる存在は、血を分けた家族くらいだと思うんですが。

…怖い。そして寒い。
後、世間の人々は、家族以外にもこんな風に思ってくれる存在をみんな得ているのだとしたら、家族くらいしか愛してくれない鯖って、結構孤独だな、とも思いました。
まあ、自分も他人に対してあんまり関心ないですし、家族に対しても、今回初めて大事だと実感したくらいなので、自業自得なんですがね。

家族っていいものかもしれない。うん。いい家に生まれた。ありがとうマイペアレンツ!
※鯖妹は無視かい…。

コメント

鯖

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